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私は悪性の胃潰瘍ができて、胃の4分の3を切除しなければならなくなりました。それで、大学病院で手術を受けることになったのですが、私は音にすごく敏感で、眠っていてもちょっとした物音で目が覚めてしまうのです。そこで入院するなら絶対に個室でなければダメだと両親に言い、個室に入院しました。部屋にはテレビがなかったので、友達から借りたポータブルサイズのテレビで番組を見ていました。
1週間に2回くらいお掃除のおじいさんがゴミ箱のゴミを集めに来るのですが、非常に無口で、挨拶をしても黙っているような人でした。ところがそのおじいさんが、突然「一人は怖くないですか?」と言ってきました。そして、「出ませんか?」と過去にがん闘病のすえに長期入院して亡くなった女性の幽霊のことを話し始めたのです。私はすっかり怖くなって、夜寝るときには、スタンドの明かりをつけたままでなければ怖くて眠れなくなってしまいました。日頃、無口な人が突然話をしたのが幽霊だったのでとても怖い思いをしました。